研究プロジェクト
両岸関係研究グループ(両岸関係研究小組)
松田康博を中心に、東京大学東洋文化研究所内に事務局を置いている「両岸関係研究小組」は、2007年4月より若林正丈,小笠原欣幸,佐藤幸人,松本充豊の参加を得て研究活動を開始し,年1,2回共同で台湾,中国を訪問し現地調査を行ってきました。2010年4月からは「【科学研究費基盤B】繁栄と自立のディレンマ――ポスト民主化台湾の国際政治経済学」の研究母体として活動を行っています。科研は課題ごとに研究期間が定められますが,「両岸関係研究小組」は科研の有無にかかわらず中長期的に研究を継続し,日本における中台関係研究の蓄積に貢献したいと考えています。
- 第一期(2010年度~2012年度):【科学研究費基盤B】繁栄と自立のディレンマ――ポスト民主化台湾の国際政治経済学
- 第二期(2013年度~2015年度):【科学研究費基盤B】和解なき安定――民主成熟期台湾の国際政治経済学
- 第三期(2016年度~2019年度):【科学研究費基盤A】対中依存構造化と中台のナショナリズム――ポスト馬英九期台湾の国際政治経済学 up (2019.10.18)
- 「両岸関係研究小組」の中国語紹介文
貴重文献収集プロジェクト
松田康博研究室では、華語圏の現代史に関する貴重資料収集プロジェクトを進めています。松田個人が長年自費やさまざまな予算を使って資料を収集し、また有志者から寄贈を受けてきました。近年では、東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センターの「機関推進プロジェクト」として、「台湾現代史貴重史料の収集・整理」(2010-2012年度)<http://ricas.ioc.u-tokyo.ac.jp/project/project2012.html>、「中華圏現代史貴重史料の収集・整理」(2013年度)<http://ricas.ioc.u-tokyo.ac.jp/project/project.html>の経費を使って、数多くの貴重資料を収集・整理してきました。これらの資料は東京大学東洋文化研究所図書室<http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~library/>に収められ、公開されています。
2013年現在、最も収集・整理が進んでいる台湾現代史関連の資料は「現代台湾文庫」として、東京大学東洋文化研究所図書室にて公開されています。他の図書館などで所蔵・公開されていない1950年代から70年代にかけての政治・軍事・安全保障に関わる貴重な資料が数多く含まれています。多くの方の研究に供されることを歓迎します。これらの資料は個別に東京大学OPACで検索することができますが、「現代台湾文庫」としてのタグがついているため、独立した「資料群」としてリスト形式で検索することも可能です。
「現代台湾文庫」リストを見つける手順:
①東京大学OPAC画面<https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/>を開く。
②「簡易検索」のとなりにある「詳細検索」をクリックする。
③「検索オプション」の中の「文庫区分」のプルダウンメニューをクリックする。
④「現代台湾文庫」を選択し、「検索」ボタンをクリックする。
*2017年4月1日現在、1510件がヒットします。 up (2017.4.4)
なお、同様・類似の貴重資料を所有されていて、東京大学東洋文化研究所図書室への寄贈をお考えの方は、松田研究室(E-mail: ymatsuda×ioc.u-tokyo.ac.jp [×を@に置き換えてください])までご一報ください。
東アジアの安全保障研究(東洋文化研究所研究班P-5)
東アジアにおける安全保障環境は21世紀に入って複雑さを増している。核兵器・弾道ミサイル開発を進める北朝鮮が地域の主たる不確実性であり続けている一方で、GDPや国防予算が10年間で4倍増するような、人類史上希にみるスピードでその存在感を増すようになった中国が、今や東アジア地域における安全保障環境における最大の関心国となった。しかも台頭を始めた中国は、その軍事力・経済力を利用して現状変更行動を始め、周辺諸国との摩擦を増大させている。中国が現状変更に踏み込むようになった原因は何なのか、中国の行動が日本や米国といった現状維持国やその他の周辺諸国にどのような影響を及ぼすのか、今ほど根源的?多面的な研究が求められる時代はない。
本班研究メンバーは、テイラー・フレイヴェル著、松田康博監訳『中国の領土紛争――武力行使と妥協の論理』(勁草書房、2019年6月出版予定)の翻訳出版事業を行った。今後は、研究テーマおよび班研究メンバーの拡充を図り、研究発表を重ねた上で、東アジアの安全保障に関する著作を出版する予定である。なお、翻訳作業の副産物である、山口信治氏作成による「南シナ海の島・礁一覧表」をここで公開する。この一覧表は、おそらく日本で作成された最も詳細かつ正確な対照表である。多くの方々が参照することを歓迎するが、引用される場合は、引用元を明記されたい。
- 研究班メンバー
氏名 | 研究テーマ |
---|---|
松田 康博(代表) | 中台関係 |
杉浦 康之 | 現代中国外交史 |
山口 信治 | 中国政治および安全保障 |
福田 円 | 米中台関係 |
手賀 裕輔 | アメリカ外交 |
吉田 真吾 | 日米同盟 |
許 一蕘 | 現代中国政治外交史 |
山口信治作成: 「南シナ海の島・礁一覧表」
松田康博のブログ
東アジアの国際政治について、気になる報道の一部を紹介しながら、簡単なコメントをつけています。アップロードが不定期ですが、備忘録のつもりで続けます。
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